【書評】 なぜかまわりに助けられる人の心理学 BY メンタリスト DaiGo

悩みの種になりやすい人間関係をもっと楽にするためのメンタリズムです。

 

あなたにとって、一番大切な人はだれですか?

皆さんにとってその大切な人は自分をいろいろと助けてくれる人ですか?それとも、自分のほうが相手をいろいろ「助けてあげたい」と思う人ですか?

 

おそらく自分の「この人を助けてあげたい」という気持ちのほうが強かったのではないでしょうか。

 

大切な人のことは助けてあげたくなる。

 

ところが、その逆も成立してしまうのが人の面白いところです。

 

人には「自分が助けてあげた人のことを好きになる」という習性があるのです。

この事実は、心理学の実験でも証明されています。

あるとき、川で女性がおぼれていました。それに気づいた男性は慌てて川に飛び込み、女性を助けます。

 

さて、「助けてもらった」女性と、「助けてあげた」男性、どちらが相手にたいして好意を持ったでしょうか?

 

女性にとって男性は、自分をピンチから救ってくれた救世主です。当然、男性に感謝をし、好意を抱くだろうと予想したくなりますが、、、、、もうおわかりですね。

 

あとで調べてみると、「助けてあげた男性」の好意が「助けてもらった女性」の好意を上回ることのほうが圧倒的に多かったのです。

 

実は、人が何かを「してあげる」「助ける」という行為は、「自分は相手に対して好意がある」ということを脳に教え込む行為です。

 

心理学では、この状況を「認知的不協和の解消」と呼びます。

 

 そのため、他人から「助けてもらう人」になることで、他人から「好かれる人」にもなれるのです。

 

Part 1

あなたが頑張るのをやめればみんなが幸せになる

 

弱みを見せられる人ほど他人から愛される。

 

このことを端的に表す心理学の実験についてご紹介しましょう。

被験者に5ドルの謝礼を支払って、ある実験に協力してもらいました。通常はこれで終了なのですが、ある時実験者が被験者に「ポケットマネーで実験をしているんだけど、じつは実験用のお金が足りなくなってしまいました。本当に申し訳ないのだけど、もしよかったらさっき渡した5ドルを返してもらえませんか」とお願いするのです。

5ドルを返してほしいとお願いされた被験者グループと、通常どおり5ドルを受け取った被験者グループを用意しました。

そこで、実験が終わった後、「実験者に対してどれくらい好感を持

てたか?」とそれぞれのグループの被験者に聞いてみると、「5ドルを受け取った」被験者グループより、「5ドルを返してほしい」とお願いされた被験者グループのほうが実験者のことを良い人だと感じていることがわかったのです。

普通に考えれば、実験に協力した対価として約束どおりお金を支払った実験者のほうが礼儀正しいいい人であるはずです。

ところが実際に、いい人だと好意を持ってもらえるのはお金が足りなくなってしまったから、助けてもらえませんかと頼んだ実験者のほうだったのです。

 

この実験でわかるのは、自分に対して好意を抱いてもらうには「相手に自分の弱みを見せて、助けてもらう」というプロセスが必要だということです。